表は草ぼうぼうなんだけど、屋敷そのものは案外きれいで、建物は暗かったけど街灯はけっこう明るかったらしい。
なんだか思ったほど凶悪な雰囲気でもなかったし、門扉も開いていたので、そのまま中に入っていった。
後ろからX男が黙って歩いてきているので、先輩が「君大丈夫?」って聞くと、
「すいません、僕がこの話教えたんですよ…」って、ものすごくすまなそうにしてる。
「ああ、別に暇だし、気にせんでね。ヤマニシさんの話ならけっこう知ってるし」って先輩が言うと、
X男がブルブル震えだして、「すいません、すいません、すいません」。 なんでかやたら謝るんですよ。
で、そっからよくわからないんですけど、
(肝心なところなのにスマンけど、先輩はその場面をよく見てなかった。ここは先輩の彼女の記憶)
玄関先にいたY子が、いきなり庭の方にダーって走って回りこんで行って、
縁側のサッシを開けると、そっから顔だけ差し入れて、
「おおねたたまつり、もーすもーす(?)」って、でかい声でわめきはじめたらしいんです。

声が聞こえたんで先輩が血相変えて走って行って、Y子に追いついた時、Y子は縁側から靴脱いで上がろうとしてたらしい。
こう、足を4の字にして、右足のスニーカーを左手で脱がすためにつかんで、もう上がる寸前だったんです。
スニーカーの裏が妙に白かったんで覚えているらしい。(我ながらヘタな表現。どーゆー体勢だったか伝わるかな?)
これはヤバイって思って、慌ててX男と二人がかりで引き留めて押さえたんですけど、
けっこう強い力だったみたいです。(憑き物だったかどうかは不明)
放っておくと何回も「もーすもーす」って言うので、
彼女にハンカチ借りて、自分のとあわせてY子の口の中に押し込んで、両脇から抱えて連れて帰ったったらしいです。
その後は特に事件も起きずに、なんとか車のところまでたどり着けたそうです。
Y子はばたばたしっぱなしでしたが、車に入ると落ち着きました。
反対側で抱えてるX男も、Y子がぼろぼろ泣きながら「もうす…」って言ってたのが、なんか気味悪かったそうです。
それからすぐ散会するのは気味が悪いので、4人で同じラブホに入ったそうですが、
もちろんなんにもできなかったそうです(笑)。
X男とY子は、朝が来ても放心状態のままだったそうです。

その後、X男とY子は別れたということでした。(元から付き合ってなかったという話もある)
やっぱりY子はちょっとおかしくなったみたいで、半年大学を休学したらしい。
けっこう地元では通りのいい大学の、理系の学部に入ってたんだけど、
そのまま退学して、芸術系の専門学校に入り直したそうな。
先輩の彼女が会ったときには、髪はぐりぐりに短くしてたらしいです。
ちょっとお茶飲んだらしいのですが、
やたら後ろ髪を気にして、しゃべりながら自分の手で引っ張ってたのが怖かったとか。
その会ったっていうのも、これ見に行った翌年だったらしいから、
それからどうなったのかは先輩も知らないそうです。X男とは全然会ってないそうです。
この話を聞いたのは、先輩が部活の合宿に差入れに来た時で、
3こ上で直接面識もなかったし、うさんくーさい人だったし、この人担いでるんやろと思ってたけど、
免許取った後に実際友達と行ったら、それっぽい家はあった。
(『ヤマギシ』っていう表札じゃないからね、念のため。
 廃墟つっても普通の家だし、この書き込みで荒れるのイヤだから、地元の人は行かないように)
確かに気味悪かったですが、友達が馬鹿だからダーって走って入って玄関のベル押して戻ってきた。
俺はビビリなんで入ってないけど。
あ、先輩と彼女の人(もう付き合ってない)はピンピンしてます。
ピンポンダッシュしてきた友達は、この間バイクで事故起こしたけど、とくに怪我はなし。
ま、影響されにくい人と、そうじゃない人がいるってことです。

書き忘れてたけど、現地から山の方角には神社が建ってるんですよ。
車でくぐれるような石の大きな鳥居があって、夜とかあんまり見たくないんだけど…
その神社もかなり不気味なんですよ。